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ポリアモリーだと言えるまでに10年かかった

性別、国籍、行為有無などなど
多様な恋愛観が可視化されていく時代に、自分自身も変化していると最近よく思う。

性的趣向に関わらず、ラベリングという行為を自分にするのが苦手で(日本人、女性、シスヘテロなど)そんな表面上の付き合いの人に自己紹介するためにで自分に呪いかけることはないと思っていたので、今年になって初めて自分から「ポリアモリー家族がいる」という自己開示をしたことに驚いている。10年かかった。

 ポリアモリーは、関与する全てのパートナーの同意を得、複数のパートナーとの間で親密な関係を持つことまたは持ちたいと願うことを指す。 ポリアモリーは「同意に基づく、倫理的でかつ責任を持つノン・モノガミー」であるとされる。
ウィキペディア

毎週1回お絵描き作業会をしているエリーさんと雑談中に、なんとなく過ぎるくらいなんとなく出てきたカミングアウトだった。
エリーさんと描いているピンクハウス同人誌の漫画に出てくるオリジナルキャラクター、幼馴染同士の2人のうちの片方に恋人ができるという展開でエリーさんが「3人で付き合えると思う」と言った時に
するりと
「そうだね、私も3人で付き合ってるし」と言えた。

なんでも話せる相手がいたからできた、ごく自然な自己開示。
ありがとう、エリーさん。

ポリアモリーという言葉を知らない頃から私と夫には共通の恋人がいて、娘を出産した時には恋人も夫と一緒に立ち合っていた。
家族のイベントや旅行でも私たち3人はいつも一緒だったから、夫の両親も恋人の両親も、私たち3人が親密な関係であることは明らかに気づいていたけれど、特に言葉で伝えるということはしていなかった。
言い換えれば「期待したくないのでカミングアウトなんて方法では歩み寄りませんが、特に隠しているわけでもありませんので良いタイミングがあれば察してください」というアンフェアな態度だったと思う。

自分をジャンル分けすることにも積極的ではなかったから、ポリアモリーについてよく知ろうともしなかった。
ラベリングによって仲間をみつけ、コミュニティに入ることで自分らしく生きることに成功する人がいることは知りながら、自分には必要ない気がしていて、「ポリアモリー」というワードすら「ポメラニアンかなんかよくわからん説明できないカテゴリ」くらいに認識していた。

エリーさんにカミングアウトしてから、所属しているエージェンシーの担当編集さんとも話をすることができた。
来年に書籍化する予定のコミックエッセイに恋人が出てるシーンも描けるようになった。

氷が溶けるみたいに、あぁ、これは可視化してもいいことなんだと思い始めたのだと思う。

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