盛るべきか削ぐべきか
こんにちは!
毎年この時期はクリスマスカードをプリント屋へ出したりプレゼントのギフトラッピングなどの準備に追われます。今年は友人や親戚と集まる事はないけども、子供とのクリスマスは盛り上がる。今年は本当にいろんなことがあったから、年度末の思いは格別です。ツリーにつける飾りも盛れば盛るほどゴージャスで楽しいのですよ。ニューヨークのクリスマスは『盛る』一択です。
盛れば盛るほどいいのか?
毎日描いている「#1日1装」でも盛り盛りの波が来ています。毎日1枚服を描く練習をしているのですが、先週はサテン素材の服を描いても描いてもうまくいかない沼にハマって、いました。どんなに描いてもラテックス(ゴムの不織布)にしか見えないドツボ。
くっそぉ・・・・(涙)
サテン(シルク)ほど好きな素材はないのに、サテンが描けないのは悲しい。私が描けないせいで漫画のキャラにサテンの服を着せられないのです。
名画から学ぼうと色々探していたら、サテン生地を描く凄い巨匠を19世期パリに見つけた。
Frédéric Soulacroix
この写実主義の画家、多分、めちゃくちゃ銭稼いでたと思う。パトロン何百人も抱えて引っ張りだこの超人気絵師だったのではないかと思う。(Wikipediaにもあんまり情報はない)
上流階級、富裕層のお宅での油絵やフレスコ画を沢山描いているのだけど、とんでもなく光沢のある布と室内調度品を描くのが上手く、パトロンたちに重宝された画家だと容易に想像がつきます。インスタグラムが無い頃だって、ハッピーな顔でファビュラスな服を着ている瞬間を残しておきたいものです。
写実主義の旗揚げ、クルーゼの目指す「われわれの生きている時代の社会環境を、正確に、完全に、誠実に描き出す」モットーを(少なくとも後半部分を厳密に守り)シルクサテン生地の描写に重点をおいた画家。
1・描く生地やアイテムを絞る(シルクサテン)
2・正確に、完全に、誠実に描きだす(写実)
このSoulacroixのポイントを心掛けて練習したのがこちら↓
ドレスを描くのは楽しいですね。クレヨンを握っていた保育園児の頃からドレスを描くのは楽しかった。布のシワも明暗も刺繍も、書き込むほどにゴージャスで盛れば盛るほど・・
30分で描くというルールを超えてきます。(慣れたらできるような気もするけど・・)
サテンドレスにシノワズリの刺繍模様、ハリウッドリージェンシースタイルのインテリアなど、どんどん盛りたくなっちゃいます。
オートクチュール刺繍のように延々と描いてしまいそう・・
緻密に描かれた装飾を見ているとモザイクタイルに埋め尽くされたムスクの天井を見上げてボーッとしちゃうような没頭感があるけど、マンガの写実は絵画の写実ではない。「正確に、完全に、誠実に描き出す」というのではない気がします。
アルフォンスミュシャの服のしわみたいに、嘘を含んでるシワががいいのかもしれない。
桂正和先生のパンツみたいに、フィルターにかけたリアリズムがいいのかもしれない。
自分なりの表現を探す旅、もっと深く入っていきたいです。
ここから、最近描いたネームなどの先出しです!
先週うさぎ耳の彼の話を書いてから、イギリスにいた頃の話をコミックエッセイで描いたら面白いかなー・・と思案してます。
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