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「そんなの気にすんな」という声かけは、もうやらないでいいの

マイノリティの外見で海外に住んでいると、マイクロアグレッション的なこともたまに、ある。
マジョリティの外見で日本にいても、人生の半分以上日本に住んでいないことを話すとアウトサイダー的な扱いになることもたまに、ある。

差別や偏見を告発して裁きたい訳ではなく、ただ現象として『在る』のだ。そこには相手の主観があるだけで、私はいない。
マイクロアグレッションは蓄積されてストレスやトラウマになり、ある日許容範囲を超えるということが知られているが、人々が意識的にやめられるようになるまでは「そんな些細なこと・・・」だとか「それはあなたの勘違いだよ」とか言われていた。

その中で一番使われた方法が『そんなの気にするな』だったと思う。

人種や国籍のことだけでなく、性別や出身地、生まれ持った容姿、学歴などなど
広げればキリがないけれど、要は
誰かが自分の大切にしているものを奪って、それを取るに足らないゴミのように扱ったと感じた時、人は驚いて、怒る。そして悲しむ。
当然の反応だと思う。

昔は心を健康に保つために『気にするな』とマイクロアグレッションを受けた人にアドバイスをしていたし、受けた側も今日1日の気分を害されてたまるか、という気持ちで『気にするな』と自分の心に言い聞かせていたんだと思う。他人は変えられないから、自分を変えよう!というスローガンが健康な人間の在り方のようだった。

この方法は、役に立った。小さな規模で、数年単位では、役に立った。
でも、社会という大きな規模や、幼少期、青年期、成人、熟年期という年月の単位で役に立つだろうか?

私が80歳になって、マイクロアグレッションを受けた9歳の自分と話す機会があったら『気にすんな』と言うだろうか?

言わないと思う。

私は、9歳の彼女が経験した感情を聞いた後、言葉にできている彼女のことを素晴らしいと伝えると思う。経験や感情を言語化することは、ハードルの高いことだから、それをしている彼女を誇らしく思う。

誰かに経験を伝えて、助けを求めたり、環境を変えたいと願っていることを受け止める。私の能力がある限り対応したいと思う。
9歳の私が助けを求めて、80歳の私が対応しないとなると絶望しかない。
成功するかどうか、それは私たちの問題ではない範囲も含んでいるのでわからない。解決しようとすると物事は複雑化する。

複雑化を避けるために開発された言葉が『気にすんな』だったのだと再確認する。

それでも私は9歳の彼女に『気にすんな』とは言わない。彼女の経験を取るに足らないゴミのように扱わない。
逆だと思う。
「この経験は、あなたの大切な宝物になるよ」と伝えると思う。
経験を昇華できる表現の方法をいつか見つけるだろう9歳の私に、80歳の私は感情の動いた瞬間の経験をためることが出来る宝石箱を渡すだろうと思う。

コメディでも、歌でも、漫画でもファインアートでもいい。
表現として昇華するときに覗ける宝石箱。恐れや悲しみや怒りという感情は、ポジティブな喜びや愛しさなどの感情よりも輝きが劣るだろうか?

ピカソやゴッホ、ベートーベン、モーツアルトなど負の感情を昇華させた人々の芸術が何年の時を超えて輝いていることを知っていれば、輝きを見出せることが出来ると思う。または、ナイトバードの歌の素晴らしさに気づける。

今から大事なプレゼンやオーディションがあって失敗できないという時の単発的なその場凌ぎの状況か、幸せな時間が限られてしまうほど困難を抱えた時は、
負の感情を気にしないようにと自分言い聞かせるより、負の感情があっても私は大丈夫だと思える方が、きっといい。

成功哲学だけが人生ではないから、私は負の感情も大切にしよう。

9歳と80歳の中間地点にいる私は、決心するのだった。

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こんなことを考えたのは
80歳の私から9歳の私へ手紙を書くワークショップを、Healing Through Wordsという、心に抱えたトラウマや悲しみを言語化していくことで自分を癒す本の中でやったことがきっかけだった。

インド出身で性被害のサバイバーであったルピ・クーア。世界中で爆発的に売れた詩集 milk and honeyの著者が作ったワークブック。思いつく言葉を編集したり、訂正したりしないでそのまま記そう、と言ってくれるのがmilk and honeyの著者らしくて、勇気が出るのだ。
綴られている言葉も、シンプル。

日本語版は、まだないみたいだけど、私はこの本をUrbanOutfittersという10代の少年少女に似合う服しか売ってない服屋で見つけた。トラウマに向き合う本を売ってるなんていい環境だな、と思った矢先にこんな本も隣に置いてあった。


マリファナジャーナル・・・www
どういったマリファナがどのように自分に作用したのか書き記すもの。

人生の一部としての、トラウマ、マリファナ、マイクロアグレッション
ひっくるめて生きてる10代の子供たち、強いなぁ。



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るびー
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