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うちくる?ナラティブアートの精神性

1ヶ月間通ったアメコミサマースクールを、今日で修了しました〜。
アメリカンコミック初心者だったので学ぶことだらけで、パートタイムで続行したい気もしますが、8月から再挑戦したいプロジェクトがあるので一旦フィナーレ。

前回はストーリーライティング(脚本)の授業のことを描きましたが一番面白かったのはナラティブアートの授業。

1つのアメコミ作品ができるまでに【脚本】→【コマ割り・レイアウト】→【ペン入れ】→【文字入れ】→【色塗り】とチームで工程を経ていくのですが【コマ割り・レイアウト・えんぴつ下絵】を担う人の華麗な仕事をナラティブアートと呼ぶようです。(初めて知った)

Narrative (ナラティブ)とは話術とか語りのことなので、ナラティブアーティストとはこの人たちのことですね。

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モアナのおばあちゃん(タラ)『モアナと伝説の海』

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カシの木おじさん『ニコニコぷん』
(昭和生まれしか知らない)

ストーリーテラーへの偏見爆発すいません。
つまり長老キャラがやってる仕事ですよね。長く生きていて、コミュニティや土地に起きたことを実際に見ていたり何度も聴いたりしているので臨場感を持って後世に語り継ぐことができるエンターテイナーですね。

フィクションでもノンフィクションでも、すでに大筋の決まっているお話の内容を変えずに、話すタイミングや強調する場面や感情移入を操るのがナラティブアートの担うところ。

教えてくれたのもかなり長老感のある先生でありました。
親も子供2人もマンガ家、マンガ家一族出身という先生は異様な雰囲気たっぷり。3世代でマンガ家ってあまり聞いたことありません。よほどの鍛錬をこのプロフィールのみで確認できます。

ナラティブアートのクラスで始めにもらったのは冒険家が宝を見つけて魔神に出会う2ページ漫画の脚本。るびーはこんな感じで描いてみました。

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すんごい牙剥き出しの凶暴な魔人が出る予感をさせながら、冒険家のネックレスを伏線にして最後のコマで宝の魔人が冒険家の弱点(妻と子)の姿になって現れるという脚本。

私ができてるかできていないかは別として、主人公(冒険家)の行く方向や次の行動を常に予想させるレイアウトをこの授業で学びました。足を踏み出す位置や手を伸ばす方向の余白を作るという考え方なのです。人物の動きや視線、背景などの描写で予想しやすい方向を示す語り方で、この人の物語について行ってもいいのではないかという安心感や信頼感が生まれるようです。

巨匠メビウスの作品『THE  INCAL』でも主人公の行先は明確にわかるようレイアウトされています。

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(ふわぁぁぁ!なんてことだ。綺麗すぎる!)

読み初めは誰もどんな世界へ誘われているのかわからないため、最初のコマは必ず場面の確立が最重要。この最初のコマでの世界観の確立というのがカバーページ(表紙)ばりに神経注ぐシーンなので、そこを強調できる課題をもう一本くれました。

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